19日の朝、起きて窓の外をみてみると、朝早いのになんだか人が妙に多い。そういえば今日は”海の日”、茅ヶ崎一番の祭り、浜降祭(はまおりさい)の日だと気付きました。「暁の祭典」 と言われるように、日の出とともに近郊の神社から集まった数十台の神輿が、海に突進する勇壮な神事です。
パラグライダーへ向かう道すがら、西浜の浜降祭会場に立ち寄ってみました。夏+祭り+海と最強の組み合わせで、猛暑を上回る熱気に包まれていました。
今から160年ほど前の天保9年(1838)、寒川神社の御輿が、例年春に行われる国府祭(大磯町国府本郷)に渡御した帰途、相模川の渡し場で寒川の氏子と地元の氏子が争いを起こし、川に落ちて行方不明になってしまいました。
その数日後、南湖の網元である鈴木孫七さんが漁の最中にこのご神体を発見し、寒川神社に届けたことを契機に、毎年同神社の御輿が、そのお礼のため南湖の浜に赴き、「禊(みそぎ)」をするようになったと言い伝えられています。
一方、江戸時代後期に幕府がまとめた『新編相模国風土記稿』によると、鶴嶺八幡社では、寒川神社のお礼参りよりずっと古い時代から、心身の罪やけがれを清める「みそぎ」の神事を行うため、毎年、浜辺への渡御が行われていたとあります。
このように両神社の伝承は、古くから語り継がれ、それが後世になって合体して定着し、その後明治9年(1876)にこれまで旧暦の6月29日に行われていた「みそぎ」神事を新暦の7月15日と定め、名称も”浜降祭”と呼ばれるようになりました。
コメント