非接触ICチップ(Felica)と携帯の組み合わせは、ちょっと今までに無い広告媒体を出現させるみたいです。IT Mediaでの”ぴあ”覚張氏の言葉をかりるなら、行動連鎖マーケティングといったところでしょうか?
携帯Felicaで支払いを済ませたユーザーに、次にお金を使いそうなサービスのクーポン広告を配信することで、ユーザーの行動を連鎖的に導いていく。と言うと、自分がリモコンでコントロールされているようで、ちょっと恐ろしいような気もしますが、効果的であることは間違いなさそう。実例としてはIT Mediaの六本木ヒルズでの「Felica体験」特集がわかりやすいです。
同店の人気メニューである「ホワイトソイラテホイップ」(500円)をレジで商品を注文後、さっそく店頭の液晶タッチパネルを指示どおり操作して、FeliCa対応の試験端末「SO504iC」を読み取り機にかざす。あっという間に、ディスプレイに“読みとり終了”のメッセージが表示される。店員さんがメッセージをチェック後、10%割り引かれ、500円が450円になった。
お得感を満喫し、コーヒーを飲みながら携帯の画面を見ると、「お知らせがあります」との見慣れぬメッセージが表示されている。早速、指示のとおりサーバと通信を行うと、「駐車場無料クーポン」がケータイに書き込まれた。
「電子チケット」が真のゴールではない?~ぴあ (IT Media)
覚張氏は、レストラン、駐車場、グッズショップといった“ビフォア/アフターイベント”のクーポンを配信することで、ぴあという企業に戦略的拡がりを持たせていきたいという。
「行動の連鎖が起こり、サービスがつながっていく。こうした複数サービスの“トリガー”の役を果たせるプレイヤーは、限られてくる」
同氏は、電子チケットと電子クーポンのサービスがある中で、「(プレビューサービスで提供していて)モチベーションが高いのは、どちらかというとクーポン」――とまで話した。
駅前でよく配っている、マクドナルド、美容院、居酒屋、etc、の割引券が、Google Adsenseばりにターゲットを特定して配信できるようになりそうです。しかも、性別や趣味などのユーザープロファイルではなく、直前に「お金を払ったサービスと場所」に基づいて広告を配信できる、という点が、大きなパラダイムシフトな気がします。
しかも、基本的には一回のユーザー行動に対して、一つの広告配信を行うというトランザクション形式なので、ユーザーデータベースは持たなくてもいいのかも。個別のユーザーIDを発行して、行動をすべて記録したりすると、大変な量のプライバシーデータをサービス提供者が抱え込んでしまうわけで、昨今の顧客情報流出騒ぎや、システムの運用コストを考えると、「プライバシーに関する情報は一切記録しません」と宣言したほうがメリットも大きいのではないでしょうか?
GoogleのAdwords, Adsense広告は、「WEBページの内容解析(検索エンジン)」と「キーワード単位での広告オークション」という二つが結びついて、きわめてシンプルかつスケーラブルな新しい広告マーケットを作りだした上に、ブログでの広告収入という形で、一般人にも利益還元しているわけですが、クーポンはさらに分かりやすいユーザーへの利益還元ですね。新聞の折込広告で、安売り情報を入手している主婦の皆様は要チェック!なサービスになりそう。
これまでは、無駄に費やされてきた広告費(読まずに捨てられるチラシ、それを配る人件費、効果のよく分からないテレビCM、などなど)が、より効率化されて、かつ利益が消費者に還元される、というのが、これからの広告市場が向かっていく方向性のような気もします。
広告主も冷静に考えたら、つまらないテレビ番組一本に何千万円も払うより、面白いブログ10000サイトに数千円づつ広告料とクーポンを配信する方がいい、というケースも結構多そう。
iモードFeliCaの7つの疑問 (IT Media)
FeliCa携帯で最も使いたいのは「共用ポイントカード」 (IT Media)
コメント