Flickrやdel.icio.usなどのFolksonomy系ソーシャルソフトウェアと、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)の違いについて、いくつか面白い記事がありました。
まずポイントを整理すると、以下のようなまとめになります。
- Flickrやdel.icio.usは、個人の便利なツールからはじまっている。同じサービスに友達が加入していなくても、一人で便利に使える。
- Folksonomyツールは、サービスの目的が、写真の管理、公開ブックマークなど、最初から明確
- FolksonomyツールもSNSも、ネットワークが拡大すると、サービス全体の価値が上昇する。
- 新しい情報は、まずは自分の知らない人によって発見されることがほとんど
- 自分の趣味の領域に応じて、通常は複数の「自分が信頼できるネットワーク」を経験的に構築してきている。
- ”友達”というより大きなくくりよりも、キーワード(Tag)や特定のWEBページ、一つの商品など、ピンポイントの情報から関連情報を探す方が、概ね満足度が高い
- ネットワークが拡大した後での価値の増大を見越して、「個人用の便利なFolksonomyツール」が次々と無料で使えるようになってくるかもしれない?
まず、個人の便利ツールからはじまった、という点についてはdel.icio.usの共有ブックマークという概念も、偶然の結果のようです。
Guardianの「タッグチーム(Tag team)」と題された記事でも、この点が指摘されています。簡単に違約すると、
1.個人の便利な道具
2.コミュニティーを通じてシェア
3.誰が見ても有用な情報源に発展する
というステップによってFlickrとdel.icio.usは非常にうまく拡大している。個人の道具としての便利さは、ユーザーがサービスを使い始めることをうながすが、コミュニティー的な便利さによって、さらにサービス全体の価値が増大している。
この部分がFriendsterなどの第一世代のソーシャル・ネットワーク・サービスと異なるポイント。第一世代のSNSが、まず友達の輪というリンク作成から始めるのに対して、Flickrやdel.icio.usなどは、友達リストをつくらなくても、写真の共有や、webサイト情報のシェアなど、特定の目的をすぐに実現することが出来る。
Guardian Unlimited | Online | Tag team
For Clay Shirky, a social software pundit, "Flickr and del.icio.us scale beautifully from individual utility (save this photo/link) through community (share this photo or link with family, friends, or colleagues) to public accessibility (share this photo or link with anyone and everyone). The personal utility gets people using the service, and the communal utility means the value of the service grows over time."
In other words, they work because they let individuals do something useful to them first and foremost. Social network effects only emerge later. This is different from first generation social networking services such as Friendster (which let users link to friends, and friends of friends), according to Erik Benson of the Robot Coop, which created 43 Things. This lets people share (and tag) personal goals online with others, in the hope that that will help people actually achieve them. "We were influenced by Flickr, del.icio.us and others - but none are only about creating a list of friends. They're about sharing a particular set of experiences and making stuff happen."
The Long Tail ブログでは、ビル・ジョイの言葉を引用して、こんな意見。
「君がどうかに関わらず、もっとも優秀な人たちは、他の人のためになることを成し遂げてくれる(Joy's Law)」(という意味でいいのかな?)をレコメンデーションにあてはめれば、「君がどうかに関わらず、君が知らない人が最もCoolなものを発見してきた」
音楽の趣味について、自分と感覚が近いと思っている人は、かならずしも映画の趣味でも一致するわけではない。普通は、自分の周囲にいくつもの”信頼できるネットワーク”を持っていて、それを趣味や過去の経験や評価によって使い分けている。そして相手は必ずしも友達でなくてもよいし、人間ではない場合ですらある!(Amazonの関連商品とか)
自分が実際にしたことや、感心のあることについて、より深く、時間をかけて追求している人こそ信用できる。そういう人が、新しく発見した面白いことが自分にとっても有用で、自分が相手を知っているかとか、さらには相手が自分を知っているか、ということはほとんど関係が無い。
The Long Tail: Why Social Software Makes for Poor Recommendations
Bill Joy, the co-founder of Sun Microsystems, famously uttered this truism (now known as Joy's Law): "No matter who you are, most of the smartest people work for someone else." The same might be said of recommendations. No matter who you are, someone you don't know has found the coolest stuff.
Compounding the problem, the people whose recommendations I trust in music are different from those whose recommendations I trust in movies. Gadgets are yet another group of mavens, as are games and books. Indeed, although I have dozens of "trust networks" (usually formed by reputation and experience, not personal relationships), most of them have nothing in common with each other, and almost none of them I consider friends. Some of them aren't even human--they're software.
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