キリマンジャロの雪。ヘミングウェイの小説のタイトルとして、あまりに有名。いつ読んだのか、どんな内容だったか、記憶は定かではないけれど、頭から離れない不思議な言葉だった。
アフリカの雪。矛盾するような言葉だと思っていたが、その姿は意外にあっさりと、ナイロビからアルーシャに向かうバスの窓の外に現れた。
ナイロビから、国境の町ナマンガを越えて、約5時間でタンザニアのアルーシャヘ。バスの発着所が分からなくて、朝の7時半から右往左往しつつ、ホテルの気のいいニイチャンの助けで、ようやくバス会社の案内人と路上で接触。昨日、予約した時は、ホテルの前までバスが迎えに来るといってたのに~、どうやらチケット会社のガセ適当情報だったらしい。あったかい国では、情報のダブルチェックは必須ですな。
やってきたのは長距離バスとはいうものの、日本のゴルフ場の送迎バス、みたいな20人ぐらいの本当に日本の中古マイクロバス。ちゃんと席にも座れたし、特に不満もありませんが。
料金は20ドル~35ドル。RiversideとDavanuという二つの会社が運行している。代理店ではなく、バス会社のオフィスで直接買えば、交渉次第で現地価格(Tsh 10,000)に近づくのかも?いずれにしても、どこでどのようにバスに乗るのかはよく確認しておいたほうがいいと思います。
途中で原地のケニアの人も乗せたり、降ろしたりしながらナイロビの市街を抜けると、あとはひたすら同じ風景。雨がほとんど降らなそうなのに、乾いた土の上でたくましく群生するブッシュが広がるサバンナをひたすらに横断する一本道。
風景自体には変化が無いのだけれど、ときどきブッシュの中を数十頭の牛を追い立てるマサイ族があらわれたり、オアシスっぽい緑が多い地域の小さな村落を通り過ぎたり。
そんな寝て起きても同じ光景がつづく道中、青空に浮かぶように現れたのが、頂上に雪をかぶったキリマンジャロ。乾燥した大地から見上げると、雪の冷たさはまったく実感できず、やっぱり不思議な風景。
※アルーシャからPembaに向かう飛行機で見たキリマンジャロ
キリマンジャロのとなりで、こちらも45000メートル以上、雪は無いけれど一筆で書いたような稜線が美しいマウント・メルーの麓が目的地。急な斜面のために、登るのはキリマンジャロより難しいらしい。
平原の中で、急な斜面を空気が駆け登るのが、この辺りでは唯一の雲ができる理由なのか、山麓に近づくと、急に緑が増えて、やっぱりほっとする風景に。バスから降りると、意外に短く感じた行程でした。
バスのついたホテルのレストランでひとまずノンビリ昼食。アフリカは、どこで食べても野菜の味が濃い。BGMにラテンっぽいブルースがかかっていて、うーん時が止まる。そしてタクシーで向かった、今日から三泊するMoivaro Coffee Lodgeは、さらなる楽園なのでした。
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