IBMやNokiaなどの大企業が、このような具体的なアクションをおこしてきたということは、コモンズの経済的価値が立証されてきた、ということなのでしょうね。
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——500件の特許をオープンソース・コミュニティに開放した狙いは。
オープンソース・ソフト(OSS)の利用は、あらゆる分野、地域で急激に伸びています。だが、一方でOSSの開発者は、常に特許侵害を心配しなければなりませんでした。
そこで当社は500件の特許の開放を決めました。「パテント・コモンズ(特許共有資産)」という概念を提唱し、そこに500件の特許を拠出します。
パテント・コモンズは一種の中立ゾーンです。他社にも、そこへの特許の開放を呼びかけています。将来は、パテント・コモンズに登録された数千もの特許を、数百万のOSS開発者が権利侵害の恐れなしに利用し、より良いOSSを開発してほしいと考えています。
——パテント・コモンズに登録された特許は、どのようなオープンソース開発者も利用できるのか。
オープン・ソース・イニシアティブ(OSI)による定義を満たす、すべてのオープンソース・プロジェクトが利用できます。個人や企業といった制限はありません。それ以外の条件はいっさいありません。
我々は、パテント・コモンズによって、イノベーション(技術革新)を起こしたいと考えています。イノベーションには、二つのタイプがあります。独自技術によるイノベーションと、オープンな技術によるイノベーションです。どちらもお客様には重要です。私たちは、所有する特許をパテント・コモンズに開放することによって、後者のオープンな技術によるイノベーションを加速したいと考えています。
数年後、パテント・コモンズに数千件の特許が登録されたとき、すばらしいアイデアを持ったベンチャー企業は、その特許を使うことにより、すばらしい製品を迅速に市場に提供できるようになります。つまりパテント・コモンズは単に知的財産権の範囲にとどまらず、経済発展をもたらすものなのです。
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