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大移動

タンザニアは３月〜５月が雨期にあたり、タイミングとしては、まさに雨期が始まったところ。乾期と雨期の変わり目は、水と草をもとめて、動物たちが広大な自然保護区を移動するMigrationの時期でもある。モイバロのロッジで、ちょうどサファリを終えたグループのおじいさんから、Migrationがすごかったという話を聞いてはいたけれど、数頭のシマウマが視界に入ってから、いきなり大移動する群れのなかに。

群れはWildebeestとシマウマの混成で、見渡す限り先まで列がつづいている。Wildebeestは、地形をよく覚えていて、特に水がどこにあるかを嗅ぎ分けながら、遠くまで旅するのが得意。シマウマは、周囲の状況を把握するのに長けていて、肉食動物などの外敵に敏感に反応する。お互いに異なる、得意な能力があるので、この２種類の動物は一緒に行動をしているそうだ。
セレンゲティには２０万頭以上のシマウマが、Wildebeestはマサイマラに続く生態系全域で、１５０万頭以上が生息しているとのこと。二月は Wildebeestの繁殖期でもあるそうで、セレンゲティでは一日に８０００頭ものWildebeestの子供が生まれているそう。ただしそのうちの４０％は、生後４ヶ月を生き残ることができない。

キリンのランチ

バリバリ食べてます。木の方も、食べられないように、人差し指ぐらい長く鋭いトゲが枝についているのですが、まったく気にする風でもなく。

色彩鳥

セレンゲティ二日目の午前中は、静かな始まり。１時間ぐらいは意外と動物に会わず、木々にとまる色とりどりの鳥をみつつ。それにしてもカラフル。同じ場所でも、これだけ違う色をまとうようになるのが不思議ですね。

バブーンとベルベットモンキー

アフリカ旅行　サファリ　クッキング　より続く

１日目の水浸しの夜が明けて、セレンゲティ２日め。午前中のサファリに出発すると、まずはオリーブ・バブーンの集団が道路上に。最大で２００頭の群れを形成することもあるバブーンは、アフリカのあちこちで見かけられて、草やフルーツ、昆虫や小さな動物など何でも食べる。したがって、よく気をつけないとすぐにキャンプ場などの近くで食べ物をあさるようになってしまうそう。下はベルベットモンキー。バブーンより小振りで、ベルベットの名の通り、きれいな毛並みをもっています。こちらは３０頭以下の、比較的小さなグループで草むらを飛び回っている感じ。

サファリ クッキング

アフリカ旅行　DikDik キャンプ場　より続く

キャンプの楽しみは、なんといっても外で食べる食事。さらに今回は、シェフが用意している間に草むらでゴロゴロしていればいい、となればなおさら。水道も無い場所なのに、手際良く火をおこして、手に入った野菜を切り、スープやサラダが出来上がるまでは分かるけれど、焼きたてのピザまででてくるから驚き。

DikDik キャンプ場

アフリカ旅行　草原のインパラ　より続く

セレンゲティでの二泊もキャンプ。国立公園では人間の活動が厳しく制約されているため、ホテルなどの建物はほとんど存在しません。1万4763平方Kmの野生の王国のど真ん中、われわれがキャンプするDikDik Publick Camp Siteも、小さな炊事用の小屋があるだけの小さなエリア。動物の世界と、人間の世界の境は、草が刈り込まれているか、いないか、一歩またげば、キャンプ場の裏にはキリンや象が思いのままに暮らす場所。

周囲が１００メートルにも満たないキャンプ場だけど、かといって一歩外にでると、腰ぐらいの高さまで草むらが茂っている。サバンナは平原が永遠に続いているけれど、５メートル先の草むらに何が隠れているか見えない世界。とはいえ、キャンプ場は風の音も聞こえないぐらい静かで平和な午後。
実はその夜、真夜中過ぎから急激に降り始めた雨によって、キャンプ場が水没、車の中で一夜を過ごすことになるのですが。

草原のインパラ

Impara（インパラ）、Steenbok（スティーンバック）、DikDik（ディックディック）、Gazelle（ガゼル）と色々な種類が、草原のあちこちに群れをつくっています。あまりに沢山見かけるので、現地ではあなどってしまいがちですが、サバンナの風景には欠かせませんね。跳躍力が非常に強くて、一足で10mも飛ぶとか。

Topi

空の捕食者たち

アフリカ旅行　首の長い楽しいやつら　より続く

草食動物が草を食むように、肉食動物も当然ながら食事をします。かなり大きなヘビを喰いちぎる隼と、バッファローの骸に列をなすハゲタカ。

首の長い楽しいやつら

アフリカ旅行　セレンゲティへ　草の海　より続く

アフリカで、最も目線があったのがこの人たち。遠くの木の陰からソーーと。近づいてみてもジーーっと。たいてい口をモシャモシャ動かしながら、「また変な動物が来たな～」みたいな感じで、こちらが見つめられてしまいます。キリンですね。なんだか単に、高い枝の葉を食べるために、首が長く進化したというよりは、やっぱりちょっと変わったやつなんでしょうね。昔から。

セレンゲティへ 草の海

アフリカ旅行　エレファンティズム　より続く

象に見送られて午前中のサファリを終えると、Simba Aキャンプ場を撤収して、セレンゲティへ。
ンゴロンゴロ保護区（Ngorongoro Conservation Area）とセレンゲティ国立公園（Serengeti National Park）は隣接していて、さらにその先はマサイマラ鳥獣保護区(Masai Mara Game Reserve)へと続いている。アフリカでも最も有名なこの三つの自然保護区は、実はひとつの巨大な自然生態系を成していて、その間を動物は季節ごとに大移動しているのです。

隣接しているとは言っても、そこはアフリカ。標高2000メートルの高原地帯のNgorongoroから、セレンゲティへは雄大な丘陵地帯を抜けて、さらに草原を数時間ひた走ることに。

高原性の爽やかな気候のンゴロンゴロ保護区とは一変して、セレンゲティは乾燥したサバンナの平原。雨季が近いおかげで、それでもまだ過ごしやすいらしいが、遮るものも無い強烈な日差しの下を、砂埃を巻き上げながらサファリ4WDは一本道を爆走。
途中で唐突に、セレンゲティの入り口を示す小さなゲートがあった以外は、永遠と地平線が続く。ほとんどカーブも無い、直線の道を高速でクルージングするので、おもわず船に乗っているのかと錯覚するぐらい。
マサイ族など、原住民は生活することが可能なンゴロンゴロ保護区と違い、セレンゲティは「国立公園」なので、原則的に人が住むことはできない。広大な大地の上に引かれた、細い一本の道路の上だけで、人間は活動することを許されているわけだ。